「小説だけでどこまでいけるか試してみたい」。そう、はにかみながら語る松山剛さん(29)は、法律関係の資格を志す学徒からライトノベル作家に転身した異色の経歴を持つ。常日頃から抱く社会への問題意識から「閻魔(えんま)が裁判官なら弁護士もいるはず」と着想し、デビュー作「閻魔の弁護人」を執筆。新風舎文庫大賞準大賞を受賞した新進気鋭の若手作家だ。(文責:宮崎智之)
中央大学法学部を卒業し、5年前から小説の執筆を開始。友人たちに見せて感想を聞くなどするうちに小説に魅せられ、自然と勉強から小説にウエートが移っていった。主人公を「地獄で亡者を助ける弁護人」と設定した同作は、もともとはジャンルを意識せずに執筆し、「これはライトノベルだよ」と後から指摘されて気が付いたのだとか。
執筆し始めた頃にイラク戦争が長期化していたこともあり、作品には戦争への問題意識も投影されている。「普通は法のもとに地裁、高裁、最高裁などと様々な手続きを踏んで死刑が確定するのですが、戦争状態に陥ると手続きなしに人命が奪われてしまうんです」。そんな重いテーマをライトノベルの「気軽さ」に乗せて表現することで、「若い人が社会問題について考えるきっかけとなれば」との想いも秘めている。
一方、30歳を目前に控え、「この歳になって何をやっているんだ」との焦りもある。「読者にうけるものを書いて、作品を売りたい」との気持ちも強いが、「自分にしか書けない作品を書かないと読者に届くメッセージも生まれない」と気を引き締め、月1作品を目標に執筆に打ち込む。
法律以外にも経済や教育などの本も読み、社会問題について常にアンテナを張っている松山さん。頭に浮かんだ作品のアイデアを、電車の中でも食事中でもメモするように心がけているのだという。
「とにかく今は安定して小説を出版できるようになりたいんです」。思い切った方向転換をし、「人より少し遅れた」との負い目も感じているが、まだまだ戦いはこれから。この作家の快進撃は今後も止まりそうにない。
【略歴】1977年7月30日生まれ 29歳 東京都福生市出身 同市在住 福生市立福生第二小→同市立第一中→都立立川高→中央大学法学部→ライトノベル作家【星座】獅子座【血液型】A型【家族構成】父母兄【趣味】ビールを飲みながらプロ野球を見ること【好きな食べ物】蕎麦(そば)【嫌いな食べ物】納豆【お気に入りスポット】野良猫のいる場所【尊敬する人】星新一【座右の銘】人生一度きり【好きなタイプ】ツンデレ【嫌いなタイプ】フリーザ【子どもの頃の夢】西武ライオンズの3番バッターになること













